シリコーンは、よくシリコンと混同されます。シリコンは元素記号Siで表されるケイ素を意味し、物質としてはグレー色をした金属状の物で、半導体用のシリコンウェハーがこのシリコンの応用製品の例です。一方のシリコーンは有機基のついたケイ素と酸素とが化学結合で交互に連なって出来たオルガノポリシロキサン類のポリマーの総称を意味しています。
シリコーンゴムは分子結合(Si-O)を主骨格としています。炭素結合(C-C)の結合エネルギーは84.9Kcai/molであるのに対し、シロキサン結合(Si-O)は106Kcal/molと大きく、非常に安定しています。シリコーン(ジメチルポリシロキサン)はへリックス構造(コイル状)で分子間力が小さく、コイル構造の外側に位置するメチル基が自由に回転出来ます。 シリコーンゴムは米国の爆撃機B29の残骸で初めて日本人の目に触れたもので、一般の民間人には知られていませんでした。現在は、有機性と無機性を兼ね備えたユニークな化学材料として応用されており、高機能材料として位置付けられています。
当社がシリコーンゴム専門工場にしたのは、シリコーンゴム原色は乳白色であり、カーボンを混ぜる他の有機系合成ゴム(黒色ゴム)と同じ機械で混練りできません。加えて、加硫系が違う事もその理由です。他の有機系合成ゴムの加硫は、硫黄を添加して加硫を行いますが、硫黄系化合物が金属やプラスチックへの汚染、シリコーンゴムの加硫(主に付加型)に障害を生じさせる原因となる為です。
大別すると下記の2種類に分類されます。
顔料
添加剤
加硫剤及び顔料と同様に、シリコーンゴム材料に添加(混練り)して成形性を高める物に金型離型剤、黄変防止剤、可塑度調整剤、線収縮率調整剤、ロール加工性改良剤などがあります。
シリコーンゴムは流動性が極めて高い為、圧縮成形はもちろんのこと、射出成形、カレンダー成形、または押出成形が可能です。この製造し易い特性のため、高生産性を実現することができます。また、汎用シリコーン材では零下50℃から200℃までの幅広い温度域で特性変化が見られないのが最大の特徴です。このように合成ゴムのなかでは、最も優れた特性を持っていると言えるでしょう。
①加硫剤の種類と分解温度
②加硫の進行する速さ(時間)
シリコーンゴムの加硫に必要な時間は、加硫剤の分解温度に到達後30秒~10分です。 ただし、成形品の加硫時間はその厚みにより変わります。
③製品性能、品質への影響
シリコーンゴムは一般に二次加硫が必要です。二次加硫は、成形品を空気の給排気が行われる熱風路の中で、200~250℃で2~24時間行います。二次加硫の目的は、加硫剤の残さ物の除去、耐熱性能を向上させ特性を安定にし、圧縮永久歪を向上させる事です。
圧縮成型機に金型を取り付け、成型を用います。
圧縮成型機に金型を取り付け、成型を用います。